代数曲線やアーベル多様体に関連する数論アルゴリズム

Reference No. 2025c001
Type/Category Openings at any time-Workshop (II)
Title of Research Project 代数曲線やアーベル多様体に関連する数論アルゴリズム
Principal Investigator 大橋 亮(東京大学大学院情報理工学系研究科・特任研究員)
Research Period
Keyword(s) of Research Fields 代数曲線 / アーベル多様体 / 数論アルゴリズム / 同種写像暗号 / 超特別曲線
Objectives and Expected Results 耐量子計算機暗号の標準化計画が米国国立標準技術研究所(NIST)を中心に進められており、特にデジタル署名方式については2023年に追加公募が実施された。その候補の1つであった同種写像暗号方式SQIsignが現在も選考対象として残っている。他の同種写像暗号方式についても、鍵や暗号文のサイズが小さい等の利点から注目されており、産業的なニーズも高まっている。こうした背景の下で、同種写像暗号の更なる効率化や安全性解析は極めて重要な研究課題であるが、その根幹をなす道具が代数曲線やアーベル多様体に関連する数論アルゴリズムである。実際2022年7月に従来有力と考えられていた同種写像暗号方式SIDHに対する多項式時間攻撃が発表されたが、その際に高次元アーベル多様体の理論が中心的な役割を果たした。この出来事を契機として、アーベル多様体を利用する新たな同種写像暗号方式が数多く提案され、その効率化を目的として、アーベル多様体間の同種写像を効率的に計算するアルゴリズムも開発されている。また、こうしたアルゴリズムは超特別曲線の数え上げや同種写像グラフの構造解析といった代数幾何的な問題にも応用されており、結果として同種写像暗号の安全性解析にも寄与している。以上のように代数幾何、数論アルゴリズム、同種写像暗号の三者は密接に関連しており、今後の研究の更なる進展にはこれらの分野を横断した知見の共有や連携が必要不可欠である。そこで、本研究集会ではこれらの分野に携わる研究者を幅広く招き、最新の研究動向や成果ならびに今後の展望や課題を研究者間で共有して、活発な議論を行うことを目的とする。そのような交流を通じて、分野を越えた新たな研究課題の発見が促され、参加者間での共同研究へ繋がること等が成果として期待される。
Organizing Committee Members (Workshop)
Participants (Short-term Joint Usage)
相川 勇輔(東京大学大学院情報理工学系研究科・助教)
池松 泰彦(九州大学マス・フォア・インダストリ研究所・准教授)
内田 幸寛(東京都立大学大学院理学研究科・准教授)
小貫 啓史(東京大学大学院情報理工学系研究科・特任講師)
工藤 桃成(福岡工業大学情報工学部情報通信工学科・准教授)
中川 皓平(NTT社会情報研究所・研究員)
吉住 崚(九州大学マス・フォア・イノベーション連係学府・博士後期課程)