Non-Commutative Probability and Related Topics 2026 (非可換確率論とその関連領域2026)

Reference No. 2026a002
Type/Category Grant for General Research-Workshop(Ⅱ)
Title of Research Project Non-Commutative Probability and Related Topics 2026 (非可換確率論とその関連領域2026)
Principal Investigator 淺井 暢宏(愛知教育大学教育学部・教授)
Research Period
Keyword(s) of Research Fields 非可換(量子)確率論,ランダム行列論,数理物理学,量子ウォーク,特殊関数・直交多項式,函数論,学習理論
Objectives and Expected Results 非可換(量子)確率論は,数理物理学,作用素環論,確率論,表現論,組合せ論,函数論,量子ウォーク,直交多項式論・特殊関数論など,多岐にわたる分野と深く関係しながら発展している。

2025年度に実施した本研究集会では,非可換確率論を中心に,関連諸分野の研究者が一堂に会し,基礎的事項の共有から最新研究成果に至るまで,多角的な議論が行われた。その結果,分野横断的対話の有効性が改めて確認されるとともに,今後の研究展開に向けた具体的課題が顕在化した。

とりわけ,可積分系分野の研究者による講演では,代数的組合せ論の手法と多変数直交多項式の視点による量子ウォークモデルの多次元モデルへの拡張が報告され,非可換確率論と可積分系・組合せ論・函数論との新たな研究接点が示された。また,表現論的アプローチによる自由確率論研究の講演では,確率分布やモーメント構造の背後にある代数的対称性の重要性が示され,理論理解を統一的に深化させる可能性が示唆された。さらに,多くの講演において多様な特殊関数や直交多項式が重要な役割を果たしており,非可換確率論が函数論的構造を内包する理論であることが参加者の間で共有された。

本研究集会は,2025年度に実施した研究集会における議論と成果を継承・発展させる位置づけとして実施するものである。2026年度の研究集会では,非可換確率論における分布論・極限定理・モーメント構造の研究を中核に据えつつ,量子ウォーク,ランダム行列,可積分系,表現論,特殊関数論・直交多項式論との関係を意識的に掘り下げる。異なる分野で用いられてきた組合せ論的手法や函数論的道具を比較・整理し,共通する構造や相違点を明確化することで,非可換確率論の理論的枠組みの再整理を試みる。

また,2025年度に得られた分野横断的議論を継続・発展させるため,2026年度の研究集会では,各講演者の研究成果の報告を基礎としつつ,研究の背景や問題設定にも重点を置いた講演を歓迎し,未解決課題や将来的研究方向を明示的に共有する場とする。これにより,新たな共同研究の萌芽を促進するとともに,若手研究者が異分野の研究に触れ,研究視野を拡張する機会を提供することが期待される。

さらに,2025年度に企業研究者を交えた議論が行われた経験を踏まえ,2026年度においても,非可換確率論の理論的成果が情報科学分野においてどのような概念的役割を果たし得るかについて,長期的視野に立った基礎的検討を継続する。これらは短期的な応用成果を目的とするものではないが,理論研究の深化と学際的対話の蓄積を通じて,将来的な新分野創出につながる基盤形成として位置づけられる。

本研究集会を通じて,2025年度に形成された人的ネットワークと議論の蓄積を活かし,非可換確率論とその関連分野における研究基盤を一層強化するとともに,当該研究分野の持続的かつ発展的展開に資することが期待される。
Organizing Committee Members (Workshop)
Participants (Short-term Joint Usage)
淺井暢宏(愛知教育大学・教授)
植田優基(北海道教育大学・准教授)
瀬川悦生(横浜国立大学・教授)
廣島文生(九州大学・教授)
吉田裕亮(城西大学・特任教授)