材料科学における幾何と代数I
整理番号 | 20200012 |
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種別 | 一般研究-研究集会(Ⅱ) |
研究計画題目 | 材料科学における幾何と代数I |
研究代表者 | 松谷 茂樹(金沢大学 理学研究域 電子情報通信学系・教授) |
研究実施期間 |
2020年9月7日(月) ~
2020年9月8日(火) |
研究分野のキーワード | 結晶,らせん転位,結晶構造,トポロジカル欠陥,キンク現象,破壊,ゼータ関数,初等整数論の材料学への応用,代数学の材料学への応用, 幾何学の材料学への応用 |
本研究で得られた成果の概要 |
本研究集会IIは,研究集会II「結晶のらせん転位の数理」(2016年),研究集会I「結晶の界面,転位,構造の数理」(2017年),研究集会II「結晶の転位の先進数理解析」(2018年),研究集会II「結晶の界面,転位,構造の先進数理解析」(2019年)を発展させるものである. これまでの研究会の成果を踏まえ,本研究会は材料科学と幾何学や代数学との交流を目指し開催した.この背景には,1)技術の発展により求められる製品仕様が大きく変貌したこと,2)観測装置が発展し、例えば原子レベルでの構造の乱れが観測可能になったこと,3)従来,材料科学で使われてきた数学だけでは表現できていない新たな観測事実や現象が生じていることがある.科学・技術の言葉として,より高度な数学が望まれている.解析分野においては,既に材料科学者と数学者の交流が行われているようであるが,幾何学や代数学では,材料科学者と数学者の交流は限られたものとなっている.そこで,材料科学の研究者と,幾何学,代数学的手法に関わる数学者を迎えて,議論する場を提供し,相互理解のきっかけを得ることを目的に本研究集会を開催した. これにより,21世紀に入って材料科学において急速に必要となっている幾何・代数の材料科学への適応に関わる研究の加速が期待される.これらの新しい動きは研究分野としては確立されていないが,その礎・足場となると考えられる. 本研究集会においては,川原一晃助教(東京大学),熊野知二氏(日本製鉄(株)),小林舜典氏(大阪大学),下川智嗣教授(金沢大学),田中良巳准教授(横浜国立大学),山岸弘幸准教授(都立高専),關戸啓人氏(京都大学),田中守講師(都城高専),松江要助教(IMI),中川淳一特任教授(東大数理) の発表や,参加者による活発な議論,交流により,上記目的は達成されたと考えており,これが本研究会の成果である. また,1998年の成果であるキンク問題に関わる弾性曲線モデルの研究は S. Matsutani, H. Nishiguchi, K. Higashida, A. Nakatani and H. Hamada, On Λ-Elastica J. Geom. Symm. Phys., 54 (2019) 13-35 として出版されている.また,1998年の成果であるBCC結晶のらせん転位に関わる研究に関してはarXiv: 1906.04332に公開をしている.本研究会の結果も将来,発展的に新たな研究テーマとなることを期待している. |
組織委員(研究集会) 参加者(短期共同利用) |
井上和俊(東北大学 材料高等研究所・講師) 加葉田雄太朗(九州大学IMI・助教) 佐伯修(九州大学 IMI・所長) 垂水竜一(大阪大学 基礎工学研究科・教授) 内藤久資(名古屋大学 多元数理科学研究科・准教授) 中川淳一(東大数理/日鉄総研(株)・特任教授) 濵田裕康(佐世保高専・准教授) |