層流―乱流遷移における動的渦群の普遍性発?理論の開発
整理番号 | 20200022 |
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種別 | 一般研究-短期研究員 |
研究計画題目 | 層流―乱流遷移における動的渦群の普遍性発?理論の開発 |
研究代表者 | 松浦一雄(愛媛?学?学院理?学研究科・准教授) |
研究実施期間 |
2021年1月15日(金) ~
2021年1月22日(金) |
研究分野のキーワード | 流体?学,渦,機械学習,層流―乱流遷移,圧縮性Navier-Stokes?程式,直接計算 |
本研究で得られた成果の概要 |
流れが物体近くを通過する際に形成される境界層における層流―乱流遷移の非線形力学挙動の正確な予測と解明は,ガスタービン,航空機,パイプラインなど様々な産業上の場面で効率,機体安定性,騒音や振動に関連して問題となる.しかしながら,乱流(遷移過程)は自由度が大きく非常に複雑であり,力学挙動を手作業で予測・解明するのは困難である。そこで本研究では,乱流(遷移)内にある体積的渦領域を追跡し,その力学機構を機械的に分析できる新たな階層的渦クラスタリング法を提案した.ある方向に垂直な断面列を用いて,瞬時流れ場から体積領域に属する点群を抽出し,隣り合った断面間でグループ化する.グループ化を繰り返すことにより,断面内の点はその方向に積層される.抽出された点の各グループは,pクラスタと呼ばれる個々のエンティティとして分類・識別される.ここで接頭辞pは, proto, sub, super, hyperと,クラスタリングのレベルに応じて,置き換えられる.pクラスタの空間分布と時間発展が可視化され,自動的に追跡される.開発した手法を,境界層のK型自然遷移の後期過程に適用した.本手法により,粘性低層にあるヘアピン渦の根元近くにある渦構造のペアを捉え,詳細に分析することが可能となった.さらに,エンストロフィ方程式とヘリシティ方程式の主要な数式項をアルゴリズム的に評価し,主要項の集合によって特徴付けられる局所的力学に基づいて,抽出された点群を分類した.これにより,異なる渦構造間で共通した力学機構を探索することが可能になった. 下記において成果発表を行った。 1. K. Matsuura, Y. Fukumoto, “Hierarchical Clustering of Vortical Regioins in the Late-Stage of Laminar-Turbulent Transition,” pp. 1-26 (2021) (submitted) 2. K. Matsuura, Y. Fukumoto, “Pedestrian stream flow analysis to detect people conglomerates and disperse states for COVID-19 prevention measures in crowded spaces,” 1st Virtual International Study Group on Mathematical Solutions to Industrial and Social Problems, 6th, Dec., 2020. 本研究は昨年度からの継続課題であり,昨年度から開発すべき解析手法が明確に定まり,実現することに成功した。 |
組織委員(研究集会) 参加者(短期共同利用) |
松浦一雄(愛媛大学・准教授) |