格子暗号の実用化に向けた研究
整理番号 | 20210002 |
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種別 | 若手研究-短期共同研究 |
研究計画題目 | 格子暗号の実用化に向けた研究 |
研究代表者 | 王 イントウ(大阪大学大学院工学研究科・講師) |
研究実施期間 |
2021年11月15日(月) ~
2021年11月19日(金) |
研究分野のキーワード | 量子暗号;耐量子暗号;暗号理論;数論アルゴリズム;情報セキュリティ |
本研究で得られた成果の概要 |
今回の共同研究では格子暗号を中心として、格子暗号プロトコルの設計、格子解読アルゴリズムの解析、安全性評価などの課題をめぐって公開型ワークショップを開催したと共に、非公開の内部討論会を実施した。 最先端の格子暗号技術と解読技術に関する研究成果を踏まえ、耐量子計算機暗号が実応用まで見据えたセキュアな高速実装、および解読アルゴリズムの改良において様々な新しい課題を発掘できた。例えば、大規模並列分散計算に対するベクトルの抽出方法をうまく理論化することができれば、最短ベクトル問題のヒューリスティックアルゴリズムはさらに進化できると思われる。これは今後の課題として展開していく。また、量子コンピュータで離散対数問題を解く際の出力を、格子の性質を用いて補正する方法、およびノイズ耐性のある格子アルゴリズムの開発について議論を行なったが、ビットの反転を反映した形で、距離空間を設計した上で格子アルゴリズムや、符号理論の誤り訂正を導入することでよりうまい補正方法を開発できる可能性があり、引き続き研究を続けていく予定である。さらに、格子暗号に対する安全性評価では、格子解読アルゴリズムの開発・改良・実装が重要な課題となるが、本共同研究では、既存研究の並び替え手法を考察し、最新式のG6K解読アルゴリズムにうまく適用できれば、G6Kの計算量を削減できる可能性を議論し、引き続き今後の課題として取り組んでいくこととなった。 以上、格子暗号の発展のために情報交換と共同作業を行い、非常に実りある共同研究となった。 |
組織委員(研究集会) 参加者(短期共同利用) |
王 イントウ(北陸先端科学技術大学院大学・助教) 池松 泰彦(九州大学マス・フォア・インダストリ研究所・助教) 深作 亮也(九州大学大学院数理学研究院・助教) 青野 良範(情報通信研究機構・テニュアトラック研究員) 高安 敦(東京大学大学院情報理工学系研究科・講師) 照屋 唯紀(産業技術総合研究所・主任研究員) 梶田 海成(日本放送協会 放送技術研究所・研究員) 相川 勇輔(三菱電機株式会社 情報技術総合研究所・研究員) |
アドバイザー | 秋山 浩一郎(株式会社東芝 研究開発センター) |