クラスタリング技術を用いた土砂災害シミュレーションの高度化
整理番号 | 20210015 |
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種別 | プロジェクト研究-短期共同研究 |
研究計画題目 | クラスタリング技術を用いた土砂災害シミュレーションの高度化 |
研究代表者 | 松浦 一雄(愛媛大学大学院理工学研究科・准教授) |
研究実施期間 |
2021年8月30日(月) ~
2021年8月31日(火) |
研究分野のキーワード | 防災科学,機械学習,流体力学,数値計算 |
本研究で得られた成果の概要 |
日本は,約70%を山地や丘陵が占める一方で,国土面積が狭いため山の斜面は急峻で,崩れやすいという特徴がある。山の水源から流出する川の流れも急なため,川の氾濫も発生しやすい。また,気候変動に伴う豪雨が土砂災害の危険性を助長している。本研究では,土砂災害シミュレーションを実施し,土砂災害被害の抑制法について研究することが目的である。これまでも土砂災害のシミュレーションは行われてきたが,土砂災害で押し流される物体は球や円柱といった簡易形状と仮定するなど必ずしも現実に即した形状のものではなかった。そこで,現実に即した土壌構成,樹木分布や含水量を考慮した3次元山地モデルデータの構築およびそれを用いたシミュレーションにより土砂崩れの発生や下流への拡大条件について考える。特に,枝状構造を持つ樹木,根および石などの実環境構成要素を,解像し得る限り現実的な形状,質量および強度を持つ破断・分解可能な点群モデルとして統一的に考慮し,オイラー的,ラグランジュ的あるいは両者の立場による流動計算に組み入れ,two-way couplingによる流動と点群モデルとの連成流動シミュレーションの実現を目指す。このような計算を実現することにより,災害の発生条件やリスク(ハザードマップ情報)をより精緻化することが可能になると同時に,より個別の状況に即した災害予測が可能になると期待される。 本年度は,土砂災害シミュレーションの現状および,上述の実環境構成要素を「発展成長の結果であるクラスタ」として表すための成長モデルについて,特に根成長モデルに焦点を当てて文献調査した。また,この根システムのクラスタ群との相互作用を組み入れたSPH(Smoothed Particle Hydrodynamics)法のプログラムを開発し,土壌の性質など様々な影響因子の取り込みに見通しを得た。 |
組織委員(研究集会) 参加者(短期共同利用) |
福本 康秀(九州大学マス・フォア・インダストリ研究所・教授) 松浦 一雄(愛媛大学大学院理工学研究科・准教授) |