超双対数に基づく高精度・高速微分計算理論の構築
整理番号 | 2022a013 |
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種別 | 若手・学生研究-短期共同研究 |
研究計画題目 | 超双対数に基づく高精度・高速微分計算理論の構築 |
研究代表者 | 井元 佑介(京都大学・高等研究院・特定助教) |
研究実施期間 |
2022年8月8日(月) ~
2022年8月10日(水) |
研究分野のキーワード | 超双対数、行列表現、複合材料、数値解析 |
本研究で得られた成果の概要 |
本共同利用研究は,旅客用ロケットや空飛ぶクルマといった次世代の材料開発に用いられている複合材料シミュレーションを高精度・高速に実現するために,その核となる高階微分計算手法を代数的理論を応用して開発することを目的とする.本共同利用研究は2022年8月8日から8月10日までの3日間,九州大学 伊都キャンパス ウエスト1号館で実施した.本期間中,8月8日は,超双対数に基づく微分計算研究の紹介と,理論・応用研究の探索を目的とした公開プログラム「微分計算科学の理論・応用・展開」を開催し,8月9日~10日は関係者での議論を非公開で実施した. 公開プログラムでは,研究代表者の井元が超双対数とその微分計算法の基本原理を紹介した.さらに,自身の研究成果である超双対数の行列表示と,超双対数に基づく固有値微分計算手法の開発および超弾塑性材料モデルへの応用研究について紹介した.松原氏には,超双対数の応用先として利用されている増分ポテンシャル法について,手法の基礎原理から具体的な材料モデルへの応用例について幅広く紹介していただいた.出口氏には,偏微分方程式に基づく制約を用いたニューラルネットワーク手法のPINNについての紹介と,流体計算への応用について紹介していただいた.久保田氏には,高精度微分計算手法である自動微分について,歴史的な背景から,計算効率や実装法まで詳しく紹介していただいた.クロージングでは,組織委員の浦本氏とアドバイザーの大畠氏から本プログラムの総評や今後の研究展開に関する有意義なコメントをいただけた.参加者の内訳は対面参加9名,オンライン参加30名,延べ39名となり,盛況な会となった. 非公開プログラムでは,2022年8月9日午前から8月10日正午まで,組織委員で本共同利用研究の目的に対して議論を行った.特に、「微分計算の効率化を目的とした超双対数の理論拡張」・「超双対数微分の応用先の探索」の2点に関して集中して議論を行った. 本共同利用研究を通して,理論面では超双対数の新たな定式化を導くことができ,さらに,応用面では新たな応用先の候補を挙げることができ,理論・応用研究のいずれにおいても重要な進展を得ることができた.現在,論文化やソフトウェア化に向けて議論を進めており,将来的には本研究結果が産業に貢献する成果となるように着実に進めていく. |
組織委員(研究集会) 参加者(短期共同利用) |
浦本 武雄(九州大学・助教) 藤川 正毅(琉球大学工学部工学科機械工学コース・准教授) 田中 真人(Toyota Motor North America, Inc.・研究員) 山中 脩也(明星大学情報学部情報学科・准教授) 三目 直登(筑波大学システム情報系・助教) 森田 直樹(筑波大学 システム情報系・助教) |
アドバイザー | 大畠 明(MathWorks.Inc.) |