記号計算の高速化と産業課題解決への応用2
整理番号 | 2024a008 |
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種別 | 若手・学生研究-短期共同研究 |
研究計画題目 | 記号計算の高速化と産業課題解決への応用2 |
研究代表者 | 石原 侑樹(日本大学理工学部数学科・助教) |
研究実施期間 |
2024年11月11日(月) ~
2024年11月15日(金) |
研究分野のキーワード | 記号計算(計算代数、数式処理)、グレブナー基底、限量子消去、数理最適化、実代数幾何学、準素イデアル分解、数値数式融合計算、非線形制御理論、機械学習、代数統計 |
本研究で得られた成果の概要 |
記号計算(Symbolic Computation)は数式等を記号的に計算する手法であり、数学的構造を分析する上で強力な手法の1つである。しかしその反面、計算コストが高く、指数的な計算量を要する場合も多いため、記号計算の高速化は様々な分野において切望されている。本研究は昨年度の継続研究として、記号計算を産業課題の解決に応用することを目的に、多様な分野の専門家を招き共同研究を行った。参加分野は計算機代数、代数幾何学、暗号理論、計算代数統計、最適化理論、制御工学、機械学習、符号理論、数理モデリングなど広範囲にわたる。参加者数としては、大学、研究機関、企業から対面・オンラインで80名以上の方にご参加いただいた。 公開プログラムにおいては、11月13日、14日に対面とオンラインのハイブリッドで開催した。5名の招待講演者の方と1名の組織委員による講演が実施された。招待講演者の方々には、諸分野における記号計算の最新の研究の動向について、60分の講演をいただき、質疑応答では活発な議論がなされた。また、組織委員の神戸氏の講演では、論文[1]の成果に関連することを報告した。論文[1]は、組織委員3名(計良、石原、神戸)を含む論文で、機械学習のトップ国際会議の1つ NeurIPS 2024 で採択されたものである。 非公開プログラムにおいては、11月11日、12日、15日の3日間に渡り、大学院生、大学教員らによる約10件の発表および研究討論が行われた。研究討論の内容としては、前年度から引き続き取り組んでいる研究の進展や新しい課題についてなど多岐に渡った。特に、本年度の成果としては、大学教員や企業の研究者のみならず、大学院生なども多く参加することで、研究がより活発化したことが挙げられる。今回の非公開日で議論した内容はまだ論文等にはなっていないが、今後の研究で成果として発表することを計画している。 以上のように、本共同利用研究において、前年度と比較して新たな成果を得ることができた。今後も共同研究を継続することで、現状で浮かび上がっている課題の解決策を見出せることが期待される。 [1] Hiroshi Kera, Yuki Ishihara, Yuta Kambe, Tristan Vaccon, Kazuhiro Yokoyama: Learning to Compute Gröbner Bases. The 38th Annual Conference on Neural Information Processing Systems (NeurIPS) (2024) |
組織委員(研究集会) 参加者(短期共同利用) |
石原 侑樹(日本大学理工学部数学科・助教) 深作 亮也(九州大学大学院数理学研究院・助教) 池松 泰彦(九州大学マス・フォア・インダストリ研究所・助教) 神戸 祐太(三菱電機株式会社・リサーチアソシエイト) 岩根 秀直(リーディング・スキル・テスト株式会社・会社員) 伊藤 勝(日本大学理工学部・助教) 小林 宗広(株式会社シルフ・インスティテュート・会社役員) 湯野 剛史(九州大学大学院システム情報科学研究院・助教) 計良 宥志(千葉大学大学院情報学研究院・助教) 庵 智幸(宇宙航空研究開発機構(JAXA)追跡ネットワーク技術センター・研究開発員) |