母子保健ケアの質の改善に関する予測モデルの研究
整理番号 | 2024a009 |
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種別 | 女性研究者活躍支援研究-短期研究員 |
研究計画題目 | 母子保健ケアの質の改善に関する予測モデルの研究 |
研究代表者 | 菊地 君与(九州大学病院メディカル・インフォメーションセンター・学術研究員(特任准教授)) |
研究実施期間 |
2024年8月19日(月) ~
2024年8月23日(金) |
研究分野のキーワード | モデリングスタディ、母子保健、グローバルヘルス |
目的と期待される成果 |
持続可能な開発目標(SDG)3は、2030年までに達成すべき目標の中で、妊産婦死亡率と新生児死亡率をそれぞれ70人/対10万出産と、12人/対1000出生に減少させることを掲げている。しかし、低中所得国における死亡率の改善は緩慢であり、さらに新型コロナウイルス感染症の影響で、SDGs目標の到達がいっそう困難になっている。 この課題に対処する上で、母子の健康指標を改善する鍵となるのは「ケアの質」である。ケアの質には、母子が産前・出産・産後まで継続的にケアを受ける「母子継続ケア」が含まれており、また健診時や緊急時に必要なケアが提供され、適切なカウンセリングも行われることが求められる。SDGsが終了する2030年までの限られた期間の中で、妊産婦・新生児死亡率の減少に寄与するケアの質を効率的な方法で高めることが不可欠である。このためには、ケアの質を向上させるための予測と、そのための対策の明確な設計が必要である。 そこで、本研究の目的は、低中所得国における妊産婦・新生児死亡率の減少を達成するために、母子の「ケアの質」をどれだけ改善する必要があるかを予測するモデルを構築するである。国レベルの「ケアの質」が妊産婦・新生児死亡率に及ぼす影響を予測するモデルはまだ存在せず、この予測モデルは低中所得国がSDGs目標をより効果的に達成するための有効なツールとなり得る。本研究は、保健政策に結びつく質の改善に大きな意義をもつものである。 成果として、本研究は短期研究員の期間内に米国公衆衛生学会に提出する抄録完成までを目指すが、最終的には国際学術誌での論文発表を予定している。この研究を通じて、母子の健康向上に資する新たな知見が得られ、低中所得国が持続可能な開発目標を達成する一助となることが期待される。 |
組織委員(研究集会) 参加者(短期共同利用) |
廣瀬雅代(マス・フォア・インダストリ研究所・助教) |