秘匿同時通信とカードベース暗号に関する研究

整理番号 2024a015
種別 若手・学生研究-短期研究員
研究計画題目 秘匿同時通信とカードベース暗号に関する研究
研究代表者 品川 和雅(茨城大学理工学研究科・助教)
研究実施期間 2024年9月24日(火) ~ 2024年10月4日(金)
研究分野のキーワード 秘密計算、秘匿同時通信、カードベース暗号
目的と期待される成果 秘密計算とは、複数人の参加者がそれぞれ秘密の入力を持つとき、各参加者の入力自体は他の参加者に隠したまま、全員の入力についてのある関数の値を計算する暗号技術である。秘密計算の応用先には、安全な統計解析や複数機関による安全なデータ統合など多くの応用が知られており、近年活発に研究が行われている。秘密計算の効率性は主に通信回数と通信量によって評価され、それらを削減することは重要な研究課題である。この文脈において、通信回数を1回に制限したモデルが秘匿同時通信(PSM: Private Simultaneous Messages)である。本研究の目的は、PSMプロトコルの通信量の上下界を改善することである。申請者は、2022年度のプロジェクト研究『秘密計算方式の最小構成に関する研究』においてPSMプロトコルの通信量の下界証明手法(埋め込み手法)およびカードプロトコルからPSMプロトコルの変換手法(カード・PSM変換)を提案し、2023年度のプロジェクト研究『物理的な秘密計算と非物理的な秘密計算の関係性の解明』においてカード・PSM変換の応用として間接ストレージアクセス関数に対する効率的なPSMプロトコルを提案した。本年度のプロジェクト研究においては、埋め込み手法とカード・PSM変換の両方を発展させることにより、さまざまな関数に対するPSMプロトコルの通信量の上下界の改善を行う。特に、埋め込み手法に関しては2023年度の研究において我々が提案した直方体論法という手法の発展に取り組む。また、2023年度の研究においてカードベース暗号と語の組合せ論の関係性についての理論を提案したが、この理論とカード・PSM変換により、通信量の上界の改善を目指す。本プロジェクトにおいて得られた成果は国際会議や論文誌において発表する。
組織委員(研究集会)
参加者(短期共同利用)
品川 和雅(茨城大学理工学研究科・助教)