Evolving Design and Discrete Differential Geometry:towards Mathematics Aided Geometric Design(設計の新パラダイムを拓く新しい離散的な曲面の幾何学)

整理番号 2024a033
種別 一般研究-研究集会(Ⅰ)
研究計画題目 Evolving Design and Discrete Differential Geometry:towards Mathematics Aided Geometric Design(設計の新パラダイムを拓く新しい離散的な曲面の幾何学)
研究代表者 大崎 純(京都大学大学院工学研究科・教授)
研究実施期間 2025年3月10日(月) ~ 2025年3月13日(木)
研究分野のキーワード 幾何学的形状生成,離散微分幾何学,計算幾何学,工業意匠設計,建築設計,双方向循環型設計プラットフォーム
本研究で得られた成果の概要 本研究集会(国際ワークショップ)は、JST CRESTの同名プロジェクトとの共催により開催された。
近年、建築デザイン、工業デザイン、機械デザイン、コンピュータグラフィックス、データ処理など、デザイン・工学のさまざまな分野で、複雑な連続/離散曲面を製造・構築するための設計手法が重要になってきている。設計ツールの発展にともない、また、従来の削り出しによる方法から付加製造による方法への製作プロセスの移行にともない、複雑な曲面の需要が高まっている。このような状況において、数学を軸として、上記の諸分野の研究者や実務者が参加した本研究集会の役割は大きい。
離散微分幾何学は、曲面設計の効率化と低コスト化につながる理論的枠組みを構築するために重要な役割を果たす数学分野である。本研究集会を共催したJST CRESTの研究グループは、変分原理や非ユークリッド幾何学の離散形に関する研究を行っており、展開可能な曲面、平均曲率一定曲面、剛体折り紙による多面体曲面、美的曲面などの性質をもつ離散曲面をデザインするためのさまざまな方法を提案してきた。また、これらの研究成果を一般に公開するため、設計、解析、製作・施工の過程を、同一の曲面モデルを用いて、双方向・循環的に実行するためのプラットフォームのプロトタイプを開発した。
本研究集会は、数学、情報科学、建築デザイン、工学を基礎とした設計プラットフォーム開発の基礎となる理論や技術について、研究者と実務者の情報交換の場を提供した。意匠性と安全性を両立させた曲面構造物の設計を可能にするため、CRESTプロジェクト関係者だけでなく、関連分野の著名な招待講演者9名を含む63名の研究者・実務者が、3日半の会議期間中に交流して情報交換を行った。離散微分幾何学と変分原理に基づく新しい形状設計法の数学的定式化は、曲面設計の新たな方向性の開拓につながる。本研究集会の成果は、数学をハブとして曲線や曲面の幾何学に関する知識を再統合し、形状設計のための離散微分幾何学という新たな分野へと昇華させ、精密で美しい製品を生み出しながら高コストに苦しむ日本のものづくりを再生させる重要な機会となるものと期待される。
組織委員(研究集会)
参加者(短期共同利用)
前川 卓(早稲田大学 理工学術院 理工学術院総合研究所・招聘研究員)
三浦 憲二郎(静岡大学 学術院工学領域・教授)
梶原 健司(九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所・所長)
三谷 純(筑波大学 大学院 システム情報系情報工学域・教授)
横須賀 洋平(鹿児島大学 理工学研究科・准教授)
中嶋 拓(大林組 大阪本店 構造設計部・副課長)
堺 雄亮(ソニーコンピュータサイエンス研究所・アソシエイト リサーチャー)