直交配列を用いた秘密分散法

整理番号 2024a041
種別 女性研究者活躍支援研究-短期研究員
研究計画題目 直交配列を用いた秘密分散法
研究代表者 足立 智子(静岡理工科大学情報学部コンピュータシステム学科・教授)
研究実施期間 2024年9月9日(月) ~ 2024年9月13日(金)
2025年3月10日(月) ~ 2025年3月14日(金)
研究分野のキーワード ラテン方陣, 直交配列, 秘密分散法
目的と期待される成果  秘密分散法は、一つの秘密情報を共有して複数人で管理する方法である。$n$人の参加者のうち任意の$t$人が集まれば秘密情報を復号できるが、$t$人未満では秘密情報が復号できない秘密分散法を、$(t,n)$しきい値法という。
 ラテン方陣を用いた秘密分散としては、Cooper等(1994)やStones等(2016)の手法がある。直交配列を用いた秘密分散法としては、Dawson等 (1993)がある。申請者が投稿中の論文(Takeuti and Adachi)として、Dawson等の手法をラテン方陣のMOLSに限定することで使いやすくしたものがある。
直交配列は、4つのパラメータ$t, k, v, \lambda$をもつ$v$個の点の組合せ構造を大きさ${\lambda}{v^t} \times k$の行列$A$で表し、記号$OA_{\lambda }(t, k, v)$と表記する。
まず、$v$個の点(シンボル)の集合を$X$とする。この点が$t$回ずつ重複している点の集合は$X^t$である。集合$X^t$から$t$個組の点の集合が、行列$A$の$k$個の列から$t$個分の列を選んだときに、ちょうど$\lambda$回ずつ会合するように取り出すときの組合せになるようにする。
任意の二つのラテン方陣が互いに直交するような$t$個のラテン方陣の組をMOLS (Mutually Orthogonal Latin Squares)という。直交配列は、MOLSを一般化した形で含んでいる。
本研究は、2023年度貴学IMI共同利用研究の助成を受けた「ラテン方陣を用いた暗号理論」(研究種別:女性研究者活躍支援研究-短期研究員)の継続研究である。2023年度の研究「ラテン方陣を用いた暗号理論」により、秘密分散法で扱いやすい形のWeighted-sum ラテン方陣という特殊な形のラテン方陣の特徴を明らかにした結果がある。
本研究では、これを発展させ、秘密分散法で扱いやすい形の直交配列を探し、その特徴を明らかにすることを目的とする。期待できる成果として、直交配列を用いた秘密分散法の低コスト化が図れる。
組織委員(研究集会)
参加者(短期共同利用)
足立 智子(静岡理工科大学・教授)
縫田 光司 (九州大学マス・フォア・インダストリ研究所・教授)
顧玉杰(九州大学システム情報科学府情報理工学専攻数理情報講座・助教)