記号計算の高速化と産業課題解決への応用3

整理番号 2025a012
種別 若手・学生研究-短期共同研究
研究計画題目 記号計算の高速化と産業課題解決への応用3
研究代表者 石原 侑樹(日本大学理工学部数学科・助教)
研究分野のキーワード 記号計算(計算代数、数式処理)、グレブナー基底、限量子消去、数理最適化、実代数幾何学、準素イデアル分解、数値数式融合計算、非線形制御理論、機械学習、代数統計、数理モデリング
目的と期待される成果 記号計算(Symbolic Computation)は、数式や数学的対象を扱うための計算方法の1種である。よく比較される計算方法として数値計算があるが、記号計算は厳密計算をベースとした数学的な構造の分析を得意としている。しかしその反面、計算コストが高く、グレブナー基底や限量子消去(QE)のアルゴリズムなど計算量が指数的であるも多い。本研究では2024年度の共同利用研究「記号計算の高速化と産業課題解決の応用2」の継続研究として、引き続き既存の記号計算の種々のアルゴリズムの改良を通じて、産業に登場する課題の解決を目指す。
2024年度の共同利用研究においては、計算機代数、暗号理論、統計学、最適化理論、機械学習、制御理論、数理モデリングなど様々な分野の専門家が参加し、最近の記号計算と産業課題の動向について議論を行った。2025年度においては、これまで浮上した課題たちに対し、計算の高速化と新しい手法の開発の観点から研究を行う。例えば、2024年度までの共同利用研究で発表した成果の1つとして、機械学習による記号計算の高速化手法があるが、これをロボット制御やシステムシミュレーションなどの具体的な産業課題に活用することが挙げられる。加えて、制御理論や最適化理論など、特定の分野における記号計算に特化したアルゴリズムの開発も計画している。また産業界からの専門家に招待講演をいただき、開発したアルゴリズムの実応用に繋げることも目指している。
2026年度以降の研究においては、研究成果を論文や研究発表などで国内外に周知していくことで、学術界や産業界におけるブレイクスルーに繋げることが目的の1つである。本研究で期待される成果は主に以下の2つである。
① 具体的な課題解決に特化した記号計算の高速化
② 産業課題に対する新しい記号計算のアプローチの開発
組織委員(研究集会)
参加者(短期共同利用)
石原侑樹(日本大学理工学部・助教)
深作亮也(九州大学数理学研究院数学部門・助教)
池松泰彦(九州大学マス・フォア・インダストリ研究所・准教授)
神戸祐太(三菱電機株式会社・リサーチアソシエイト)
岩根秀直(リーディング・スキル・テスト株式会社・会社員)
伊藤勝(日本大学理工学部・助教)
小林宗広(株式会社シルフ・インスティテュート・会社役員)
湯野剛史(九州大学大学院システム情報科学研究院・助教)
計良宥志(千葉大学大学院情報学研究院・助教)
庵智幸(宇宙航空研究開発機構(JAXA)追跡ネットワーク技術センター・研究開発員)
小松瑞果(神戸大学システム情報学研究科・助教)