Non-Commutative Probability and Related Topics 2025 (非可換確率論とその関連領域2025)
整理番号 | 2025a016 |
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種別 | 一般研究-研究集会(Ⅱ) |
研究計画題目 | Non-Commutative Probability and Related Topics 2025 (非可換確率論とその関連領域2025) |
研究代表者 | 淺井 暢宏(愛知教育大学教育学部・教授) |
研究実施期間 |
2025年10月8日(水) ~
2025年10月10日(金) |
研究分野のキーワード | 非可換(量子)確率論,ランダム行列論,数理物理学,学習理論 |
目的と期待される成果 |
非可換(量子)確率論は、数理物理学、作用素環論、確率論、組合せ論、函数論、量子ウォーク、直交多項式論など多様な分野と関係し、近年大きく発展しています。特に、国内ではランダム行列を用いた深層学習の解析や無限粒子系の統計的性質の研究など、具体的な応用も進んでいます。本研究は、非可換確率論の手法をさらに精緻化し、数理物理学や情報科学への応用可能性を探ることを目的としています。 本研究では、確率変数の分布やモーメント構造を詳細に解析することによって、非可換確率論の枠組みを発展させることを目指します。具体的には、既存の四つの独立性(テンソル独立性、自由独立性、ブール独立性、単調独立性)を基に、新たな確率分布の特徴づけを行い、組合せ論や函数論などの手法を用いて非可換確率論における新たな極限定理を導出し、その極限分布の漸近挙動を明確にします。この成果を通じて、確率変数のモーメント構造やその漸近的性質に関する理解を深め、非可換確率論の理論的基盤をさらに発展させることを目指します。さらに、有限次元の行列確率空間における自由確率論を拡張し、ランダム行列の挙動を解析することにより、確率分布との関係を探り、非可換確率論とランダム行列論の理論的枠組みを整理することで、応用範囲を広げていきます。 また、数理物理学との接点を強化するため、作用素環論や自由確率論の手法を用いたランダム行列モデルや量子ウォークモデルにおけるスペクトル解析を進めます。これにより、数理物理学との結びつきを深め、ランダム行列のスペクトル解析やエンタングルメントの分布特性を研究し、新たな数理的基盤の構築を目指します。これらの研究成果は、数理物理学や情報科学における応用に大きな貢献をすることが期待されます。 本研究を通じて、非可換確率論の理論的枠組みを拡張し、数理物理学や情報科学との接点をさらに探ることができると考えています。とりわけ、AI分野での機械学習の性能向上に資する理論的解明は重要な課題のひとつと思われます。また広く、現時点で確立された理論を基盤に新たな課題を掘り起こし、その解決に向けた議論を進めて行きます。さらに、若手研究者を含む研究者間の交流を促進し、分野横断的な議論を活性化させることも、本研究の重要な目的の一つです。 |
組織委員(研究集会) 参加者(短期共同利用) |
淺井暢宏(愛知教育大学 教育学部・教授) 植田 優基(北海道教育大学 教育学部・准教授) 廣島文夫(九州大学 大学院数理学研究院 数学部門・教授) 吉田裕亮(城西大学 理学部 情報数理学科・特任教授) 瀬川悦生(横浜国立大学 大学院環境情報研究院・教授) |