数論・力学系 若手研究集会
整理番号 | 2025a018 |
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種別 | 若手・学生研究-研究集会(Ⅱ) |
研究計画題目 | 数論・力学系 若手研究集会 |
研究代表者 | 色川 怜未(NTT基礎数学研究センタ・研究員) |
研究分野のキーワード | 複素力学系 / 整数論 / 数論的力学系 / 代数幾何学 |
目的と期待される成果 |
本研究集会の目的は、複素・数論的力学系の両分野の若手研究者を講演者に迎え、各分野の現状や最新の成果に関する情報交換・議論を行うことにある。ここで、複素力学系とは複素多様体上の解析写像に関する離散力学系理論のことを指し、数論的力学系とは主に代数多様体の自己写像を数論的観点から研究する分野である。特に数論的力学系は1990年代頃に体系的な研究が始まった比較的新しい分野だが、そこから数十年ほどでこの両者は、その中間領域に位置する非アルキメデス的力学系の理論を軸とし、互いに影響を受け合いながら大きく発展してきた。例えば力学的Andr{\’e}-Oort予想をはじめとするunlikely intersectionと呼ばれる予想群は複素力学系を数論的視点から観察することで生み出された経緯があり、力学系の有理点軌道にまつわる問題では複素力学系の古典的対象である力学的Green関数の解析が重要な役割を果たしている。そのため、これらの領域における研究のさらなる進展のためには複素力学系・数論的力学系の専門家が互いに連携をとり続けることが必要である一方、複素力学系と数論的力学系は隣接領域でありながらもそれぞれが非常に幅広い分野をなしており、両者を総合的に理解することは困難な状況にある。 本研究集会では、複素力学系・数論的力学系分野から主に国内で活躍する研究者を幅広く集め、研究成果を共有することで、それらの結果や新技法、関連性について議論を行う。これにより参加者が数論的力学系・複素力学系に関し俯瞰的な視点をもち、新しい知見を得ることを通して、思いがけない共通部分や新たな問題の発見を促すことが成果として期待される。 |
組織委員(研究集会) 参加者(短期共同利用) |
色川怜未(NTT基礎数学研究センタ・研究員) 佐野薫(NTT基礎数学研究センタ・研究主任) |