大腸ポリープの有無の情報が紐づいた健康診断データによる状態遷移を表現する潜在空間の構築と遷移予測手法の開発
整理番号 | 2025a026 |
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種別 | 若手・学生研究-短期共同研究 |
研究計画題目 | 大腸ポリープの有無の情報が紐づいた健康診断データによる状態遷移を表現する潜在空間の構築と遷移予測手法の開発 |
研究代表者 | 吉村 雷輝(名古屋大学大学院理学研究科・博士後期課程2年) |
研究実施期間 |
2026年1月5日(月) ~
2026年1月9日(金) |
研究分野のキーワード | 機械学習、疾患の進行動態、大腸ポリープ |
目的と期待される成果 |
本研究では、大腸ポリープの有無に関する情報が紐づいた健康診断データを詳細に分析する。特に、健康診断データに基づく個人の時系列的な状態遷移を定量的に表現するため、機械学習手法の一つであるVariational Autoencoder (VAE)を基盤とした潜在空間の構築と遷移予測手法を組み合わせたアプローチを採用する。具体的には、ある時点の患者の検査データから、同一患者の特定の時間経過後の検査データを再構築するVAEモデルを構築する。本研究では通常のVAEと異なり、1つのデータではなく2つのタイムポイントのデータを利用する。このため、エンコードする潜在空間ベクトルとデコードする潜在空間ベクトルを別々に扱い、それらを結ぶパーセプトロンに時間差情報を組み込むことで、任意の時間経過後の状態遷移を表現できる潜在空間を構築する。さらに、損失関数には大腸ポリープの有無を二値分類する際の損失をも考慮する。本研究の理論的特徴は以下の3点である: ・従来のVAEを拡張し、2つの時点間の状態遷移を表現可能な枠組みの確立 ・時間差情報を組み込んだパーセプトロンによる状態遷移の数理モデル化 ・大腸ポリープの有無と患者識別という2つの制約条件を組み込んだ損失関数の設計 本研究を通じて、大腸ポリープの有無に基づく健康診断データから状態遷移メカニズムに関する定量的な洞察が得られることが期待される。また、潜在空間を用いた遷移予測手法は、比較的簡便な血液検査データを活用する予定であるため、全国の医療機関での実装が可能となり、新たな健康状態のモニタリングや予防医療の支援ツールとして役立つことが期待される。 |
組織委員(研究集会) 参加者(短期共同利用) |
吉村雷輝(名古屋大学・博士後期課程2年) 鍛冶静雄(九州大学・教授) |