産学連携と数理・暗号分野連携によるカードベース暗号の深化と新境地Ⅱ

整理番号 2025a036
種別 一般研究-短期共同研究
研究計画題目 産学連携と数理・暗号分野連携によるカードベース暗号の深化と新境地Ⅱ
研究代表者 宮原 大輝(電気通信大学・情報理工学研究科・助教)
研究実施期間 2025年5月27日(火) ~ 2025年5月30日(金)
研究分野のキーワード カードベース暗号、秘密計算、ゼロ知識証明、有限群、アソシエーションスキーム
本研究で得られた成果の概要 本研究集会「産学連携と数理・暗号分野連携によるカードベース暗号の深化と新境地Ⅱ」は、2025年5月27日(火)~5月30日(金)に実施され、カードベース暗号や現代暗号理論またはグラフ理論を専門とする研究者が一堂に会し、集中的な研究議論が実施された。本年度は、過去2回に渡って開催された同種の研究集会を融合させるような試みとして、未解決問題の更新状況を整理して共有することと、若手研究者同士での研究交流の促進を狙った。まず未解決問題について具体的には、2年前の研究集会で共有された問題「ANDプロトコルの枚数とシャッフル回数に対する不可能性」が、2024年後半から2025年初頭にかけて解決されたことを共有した。またパズルの解に対するゼロ知識証明プロトコルについても、いくつかのパズルに対する構成が提案されていることも報告した。公開研究集会でこれらを広く周知することにより、新規参入者の機会損失を低減できるとともに、カードベース暗号に関する研究分野の盛り上がりも示すことができた。次に若手研究者との研究交流については、学生を含む計8名が参加し、各講演者が準備したスライドを基に、以下の話題について白熱した議論を交わした:共役な巡回群の数え上げと円順列、ランダムカットによるランダム二等分割カットの実装とデリミタやブランチングシャッフル、差分プライバシーを考慮する関数とノイズの制約、ゼロ知識証明における検証回数削減、対称ブール関数の評価とシャッフルの種類、独立集合問題に対するゼロ知識証明の試作。どの話題についても各参加者が主体的にスライドや黒板を囲んで議論し、一部の話題については非自明な結果を得るところまで成果を挙げることができた。特に異なる専門分野の研究者が集い、集中的に議論を重ねたことで具体的な成果が得られたことは、本分野の持続的な発展に向けて非常に意義深い経験である。また、学生をはじめとする新たな研究者ネットワークを構築できた点も大きな成果である。
組織委員(研究集会)
参加者(短期共同利用)
水木 敬明(東北大学・教授)
須賀 祐治(株式会社インターネットイニシアティブ・シニアエンジニア)
縫田 光司(九州大学・教授)
品川 和雅(茨城大学・助教)