希薄プラズマに現れる不安定現象の理解へ向けた数理モデルと数値解法

整理番号 2025a046
種別 一般研究-短期共同研究
研究計画題目 希薄プラズマに現れる不安定現象の理解へ向けた数理モデルと数値解法
研究代表者 川嶋 嶺(芝浦工業大学 工学部 電気電子工学課程・准教授)
研究実施期間 2025年11月18日(火) ~ 2025年11月19日(水)
研究分野のキーワード プラズマプロセス, イオンエンジン, プラズマシミュレーション, 異方性拡散問題, ブラソフ方程式, 構造保存型解法
本研究で得られた成果の概要 異方性拡散問題における離散最大値原理(DMP)を満たす数値計算法の確立を目指した研究は昨年度共同利用研究から継続して推進された。異方性拡散計算ではDMPを満たさない非物理的解が生じる課題が知られており、研究代表者らは拡散方程式を等価な一次双曲型方程式系へ変換する独自手法において、DMPを満たした数値解を得るための条件を調査していた。昨年度の検討から発展した内容として、粘性解理論を参照しながらDMPを満たす上での条件を数学的に解析し、前処理パラメータの適切な選択によりDMPを満たした計算が可能であることを明らかにした。本成果はComputers & Mathematics with Applications誌へ投稿済みであり、数学と工学の融合的研究として新たな論文形態を形成できたと考えている。
 本研究の主題である歪対称行列を係数に持つ拡散問題については、Differential Operator Switching(DOS)法の数理的・物理的背景を整理し、歪対称成分を移流方程式へ変換可能であることを示した。研究会での議論を通じて先行研究に対する優位性が確認され、構造保存型数値解法への展開可能性が明らかとなった。また、研究会では偏微分方程式解析への深層学習手法(DGM・PINN)の導入について紹介され、希薄プラズマ流解析に対する深層学習手法の適用可能性についても議論が行われた。
 昨年度からの継続的な共同研究により、数理科学研究者と工学研究者の連携が拡大し、本共同利用研究で発展した手法は宇宙電気推進機における希薄プラズマ流解析へ応用が進みつつある。今後は構造保存的手法との統合や深層科学技術計算との融合を進め、論文発表および新たな共同研究へと発展させたい。
組織委員(研究集会)
参加者(短期共同利用)
川嶋 嶺(芝浦工業大学 工学部・准教授)
田上 大助(九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所・准教授)
江藤 徳宏(フランス国立科学研究センター・博士研究員)
松島 慶(東京大学 大学院工学系研究科・助教)