産学連携と数理・暗号分野連携によるカードベース暗号の深化と新境地III

整理番号 2026a012
種別 一般研究-短期共同研究
研究計画題目 産学連携と数理・暗号分野連携によるカードベース暗号の深化と新境地III
研究代表者 水木 敬明(東北大学サイバーサイエンスセンター・教授)
研究実施期間 2026年7月6日(月) ~ 2026年7月10日(金)
研究分野のキーワード カードベース暗号、秘密計算、ゼロ知識証明、有限群、アソシエーションスキーム
本研究で得られた成果の概要 本短期共同研究「産学連携と数理・暗号分野連携によるカードベース暗号の深化と新境地Ⅲ」は、2026年7月6日(月)~7月10日(金)に実施され、カードベース暗号やその周辺領域等を専門とする研究者が一堂に会し、集中的な研究議論と公開ワークショップが実施された。本年度は、過去3回にわたって開催された短期共同研究の成果と研究者ネットワークを基盤とし、プロトコル構成不可能性といった理論の深化と、カードゲームへの応用などの新境地の開拓、そして研究分野の拡大を狙った。非公開および公開ワークショップにおいて、各講演者が準備したスライドを基に、以下の話題について白熱した議論を交わした。まず理論面では、任意のPSMプロトコルをSSFOプロトコルに変換する方法を示し、任意関数に対する1回シャッフル全開示プロトコルの存在を初めて証明する成果があった。また不可能性証明に関して、連動操作を用いない上下カード3枚での有限時間ANDの不可能性を単位立方体を用いた視覚的表示法とともに示した報告や、連動操作を用いる上下カード$n$枚しきい値関数の不可能性および$n+1$枚でのプロトコル構成についての報告があった。さらに、アフィン変換とランダムカットの新しい解釈から偶数-partyのequality関数の実現不可能性を示し、新たなシャッフル方式の話題も共有された。次に他分野連携・応用面では、グラフの連結成分数を数える独自のカードプロトコルが紹介され、効率化への課題が整理された。また、ハミルトン閉路問題に対するシャッフル3回の効率的なゼロ知識証明(ZKP)プロトコルや、格子グラフ上のトポロジー(連結領域や閉路など)を検証するZKPプロトコルと「ぬりめいず」への適用が報告された。さらに、近年盛んなゲーム応用として、「UNO」における仮想プレイヤー生成と手札選択プロトコルや、「ヒットアンドブロー」を一人で遊ぶためのフィードバック・コード生成プロトコルが示された。カードベース暗号の研究者が集い、プロトコルの改良やバリエーション展開、分野の方向性のブレインストーミングなど、今後の展望につながる充実した議論を展開したことは、本分野の持続的な発展に向けて意義深い。研究者ネットワークの繋がりをさらに強固にできた点も大きな成果である。加えて、産業界におけるカードベース暗号の活用に向けて議論を持ち有意義であった。
組織委員(研究集会)
参加者(短期共同利用)
須賀 祐治(株式会社インターネットイニシアティブ・シニアエンジニア)
宮原 大輝(電気通信大学・助教)
縫田 光司(九州大学・教授)
品川 和雅(筑波大学・助教)