ラオス女子教育停滞のメカニズム解明に向けた研究設計 ――混合研究法と産業・数理の統合的アプローチ
| 整理番号 | 2026c002 |
|---|---|
| 種別 | 随時募集枠-研究集会(Ⅱ) |
| 研究計画題目 | ラオス女子教育停滞のメカニズム解明に向けた研究設計 ――混合研究法と産業・数理の統合的アプローチ |
| 研究代表者 | 里村 和歌子(アジア・オセアニア研究教育機構・准教授) |
| 研究実施期間 |
2026年8月24日(月) ~
2026年8月25日(火) |
| 研究分野のキーワード | 混合研究法、統計数理、女子教育、ラオス、ジェンダー |
| 本研究で得られた成果の概要 |
本研究集会は、コロナ禍後に女子の大学進学率が低下したまま回復していないラオスの状況について、その要因を実証的に特定する研究プロジェクトのキックオフとして企画したものである。女子の学業継続を阻む要因は単一の視点では全体像をとらえられないため、個人や家族の意識の変化(質的・量的などの社会調査)、構造的変数の測定・検証(統計数理)、若年労働市場の実態(産業界)という三層の異なる立場の参加者が同じテーブルにつき、「なぜ女子は学業を続けられないのか」という問いを、数理的に測定可能な変数として共同で定式化することを最終目的とした。 当日は、量的調査、統計数理、質的調査という三つの方法論と、各登壇者がこれまで進めてきた研究の紹介が中心となった。これは、提案時に掲げた、「共通目的を共有する異分野の参画者がそれぞれの専門領域を紹介し、今後の研究計画の具体化に寄与する」という段階に対応するものであり、異なる分野の参加者が互いの前提と語彙を共有するという所期の目的は果たされた。 そのうえで最大の成果と考えているのは、パクセー・ジャパン経済特区社長の望月氏より、ラオスの基礎的な状況、パクセー・ジャパン経済特区の実際、および若年層の労働状況について、現地からの報告を直接うかがえたことである。ここから、それぞれの方法論を、現実のどこにどう突き合わせていくのかという手がかりを得た。提案時に企図した社会科学の実課題を数理系の研究者や学生に提示し、数理系の研究者が数理的に解釈を試みるという双方向性が、抽象的な課題設定としてではなく、現地の具体的な状況を伴う形で成立した点に大きな意義があった。 同時に、本集会が文字どおりのキックオフであり、調査を始めるにあたり課題が具体的に見えたことも大きな成果であったと考えている。題目に掲げた「女子教育の停滞」にしても、「停滞」を調査によってどのようにとらえるのかは自明ではない。この認識を登壇者・参加者のあいだで共有できたことが、次の段階に進むための基礎になると考えている。 今後は、「停滞」をどの指標で測るのかという変数の設定から議論を積み上げ、現地の実態と方法論を突き合わせながら調査設計を具体化していきたい。数理科学と社会科学の融合による研究の新展開が期待される段階にあり、本枠組みを継続する意義は高いと考えられる。 |
| 組織委員(研究集会) 参加者(短期共同利用) |
里村 和歌子(九州大学アジア・オセアニア研究教育機構・准教授) 甲斐 敏洋(福岡ラオス友好協会・理事・事務局長) 加藤 直子(桜美林大学グローバル・コミュニケーション学群・准教授) 廣瀬 雅代(九州大学マス・フォア・インダストリ研究所・准教授) 味志 優(九州大学アジア・オセアニア研究教育機構・助教) 徳安 祐子(九州大学アジア・オセアニア研究教育機構・学術研究員) 望月 敏洋(西松建設株式会社建築統括部/パクセー・ジャパンSME SEZ 開発株式会社・ミャンマー営業部長/社長) |