Besov空間におけるKoopman作用素の有界性の研究とその応用
整理番号 | 2022a012 |
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種別 | 一般研究-短期共同研究 |
研究計画題目 | Besov空間におけるKoopman作用素の有界性の研究とその応用 |
研究代表者 | 石川 勲(愛媛大学・データサイエンスセンター・准教授) |
研究実施期間 |
2022年5月23日(月) ~
2022年5月27日(金) |
研究分野のキーワード | Koopman作用素, 合成作用素, Besov空間 |
本研究で得られた成果の概要 |
Koopman作用素とは、力学系の定まる空間において適切な関数空間を設定することによって、力学系を「引き戻し」という操作で線形作用素と見做なしたものである。この作用素は2000年代にMezicを始めとする研究者らによって物理現象のデータ解析的な観点からの応用が見出され、近年では物理に限らない幅広い科学分野での応用が知られている。ところが、その一方でその理論的には未解決な部分が多くある。特に、工学等への応用を見据えた関数空間論的な考察はまだ十分とは言えない現状がある。本研究では、関数空間としてBesov空間を採用し、関数空間論的な枠組みからKoopman作用素を考察した。Besov空間とは、偏微分方程式論や関数空間論で中心的な役割を担うユークリッド空間上の関数空間であり、関数の滑らかさや減衰の様子を精密に解析することができる。 本研究の成果は、力学系が適当な技術的条件を満たす時に、1次元Euclid空間(実直線)上のBesov空間におけるKoopman作用素の有界性とユークリッド空間上の力学系の関係性を明らかにした。特に、力学系が実直線上の同相写像である場合などが一つの重要な例である。本研究成果の成果については現在論文を執筆中であり、2022年度中に完成させて投稿できる予定である。また、力学系に課していた技術的な仮定を弱める研究や高次元への一般化について継続して研究を行なっている。本研究でKoopman作用素の応用例として重要な動的モード分解(DMD)についての考察も行った。Besov空間におけるWavelet基底の理論が援用できそうであるという示唆を得たため、継続して定期的に議論を行なっている。 |
組織委員(研究集会) 参加者(短期共同利用) |
石川 勲(愛媛大学・特定助教) 池田 正弘(理化学研究所・研究員) 谷口 晃一(東北大学・助教) |