同種写像暗号の安全性に関する帰着効率の検討

整理番号 2024a026
種別 若手・学生研究-短期研究員
研究計画題目 同種写像暗号の安全性に関する帰着効率の検討
研究代表者 橋本 侑知(東京電機大学 理工学部 理工学科 情報システムデザイン学系・助教)
研究実施期間 2024年8月22日(木) ~ 2024年8月30日(金)
研究分野のキーワード 暗号理論, 圏論, 同種写像暗号
本研究で得られた成果の概要 同種写像暗号は、ある2つの楕円曲線が与えられたとき、その間の同種写像を見つけることが困難である事を安全性の根拠としている暗号である。楕円曲線は通常曲線と超特異曲線に分類され、同種写像暗号では主に超特異曲線が用いられる。そのため、同種写像暗号のパラメータ設定の際や楕円曲線のデータを送付し合う際に、楕円曲線が超特異曲線であるかどうかの判定(超特異性判定)が効率的に出来ることが望ましい。
本研究の当初の研究計画では、同種写像暗号の安全性に関する帰着効率を改善するアプローチで同種写像の効率化を進める予定であったが、決定的超特異性判定アルゴリズムの効率化の観点から同種写像暗号の効率化に関する成果を出した。効率的な決定的超特異性判定アルゴリズムは、Sutherlandにより提案された2-同種写像グラフを用いたアルゴリズムである。2-同種写像グラフを用いた超特異性判定アルゴリズムの計算効率は、2次拡大体上の通常曲線の同型類を頂点とする2-同種写像グラフ(2-volcanoグラフ)の高さのboundや2-同種写像計算のコストに依存している。
本研究では、素体と2次拡大体上のvolcanoグラフの高さのboundの改善し、その結果を利用することにより、超特異性判定アルゴリズムの計算コストを約半分に削減した。またこのアルゴリズムに関して計算機実験を行い、実測値の観点からも計算コストが約半分に削減されていることを確かめた。詳しくは、reprint (arXiv:2409.00505) [1] を参照。

[1] Y. Hashimoto and K. Nuida. Bounds on heights of 2-isogeny graphs in ordinary curves over F_p and F_{p^2} and its application. arXiv:2409.00505 preprint, 2024.
組織委員(研究集会)
参加者(短期共同利用)
橋本 侑知(東京電機大学・助教)
縫田 光司(九州大学・教授)