情報通信の技術革新のための基礎数理
整理番号 | 2024a030 |
---|---|
種別 | 一般研究-研究集会(Ⅰ) |
研究計画題目 | 情報通信の技術革新のための基礎数理 |
研究代表者 | 實松 豊(九州大学システム情報科学研究院・准教授) |
研究実施期間 |
2024年9月25日(水) ~
2024年9月27日(金) |
研究分野のキーワード | 次世代移動体通信、光通信、Joint Sensing and Communications (JSAC)、深層学習, 情報理論、符号理論 |
目的と期待される成果 |
次世代移動体通信システム(B5G/6G)が目指す様々な利用形態(ユースケース)における性能指標の数値目標に対し,情報通信を支える根幹の基礎システムの革新が求められている.また、地上のセルラー網に加えて、垂直方向への無線通信、すなわちUAV(Unmanned Aerial Vehicle,いわゆるドローン)や、成層圏通信プラットフォーム(HAPS)、スターリンクを代表とする低軌道周回衛星(LEO)通信の開発が大規模な資本を投じて行われている。既存の技術を高度化することに加え、既存手法に捕らわれない全く新しい技術の革新が求められている。3G(CDMA方式)から4G(OFDM方式)へ方向転換したことに類する大幅な方向転換には,その礎となる堅牢な数学理論を必要とする.したがって、通信の本質を抽出する洞察力に加えて,異分野のアイデアや数学理論が求められている.ワークショップの開催を通じて,真のイノベーションに繋がるような基礎研究を行っている人材の交流を促進する. 本共同利用は、2022年度随時募集研究集会(II)(整理番号2022c003)に続くものである。前回は数学分野からの新規参入障壁を低くする効果を狙って、講演者の先生方には、通信特有の専門用語を出来るだけ排し前提知識が無くても聴講しやすい講演とすることを依頼した。2日間のハイブリッド開催で71名の参加者を集め、どの講演も好評であった。今回も、講演者には、通信業界や符号理論などの専門知識に精通してない聴講者を考慮に入れてることを依頼する。 招待講演者の藤井輝也氏は,長年移動体通信の産業界の現場の第一線で活躍してきた経歴を持ち,電波伝搬を主な研究・開発のテーマとしている.招待講演者の Bruno Clerckx 氏は無線通信の分野で功績があり、Rate-splitting Multiple Access (RSMA)と呼ばれる多元接続方式に関する世界的第一人者である[1]。また、産業界とのつながりも強く、Silicon Austria Labs (SAL) のCTOを務めている。現場をよく知る第一人者の視点からの助言は、次世代通信のための基礎理論の構築を目指す研究者にとって極めて重要である。 強い直進性を持つミリ波(30GHz以上の周波数帯域の電波)は、従来車載レーダなどに利用されていたが、5G以降は移動体通信用途でも利用される。このことを背景として,レーダ(センシング)機能と通信機能を融合・統合する,Joint Sensing and Communication (JSAC) に関する研究が基礎理論レベルから実用化レベルまで様々な研究が世界中でなされている. 招待講演者のHamdi Joudeh 氏は,Joint Sensing and Communications (JSAC)における数理的基礎を与える情報理論に基づく研究において重要な研究成果[2]を与えている.参加者との今後の共同研究が期待される。 |
組織委員(研究集会) 参加者(短期共同利用) |
實松 豊(九州大学システム情報科学研究院・准教授(2024年4月より九州大学准教授)) 大橋 正良(福岡大学・教授(2024年4月より福岡大学非常勤講師、九州工業大学非常勤講師、ATR適応コミュニケーション研究所連携研究員)) 長谷川 晃朗((株)国際電気通信基礎技術研究所(ATR)・適応コミュニケーション研究所 室長 ) 篠原 克寿(一橋大学・准教授) 森 慎太郎(福岡大学・助教) |